今日のダメだし

 今日は女優の吉本さんに、「桃井かおりになって」というダメだしをしていました。まず率先して本谷有希子自身が物真似をしました。残念ながら特筆するほど似ているわけではなかったのですが、それを手本にして吉本さんは桃井かおりの真似を繰り返し練習しだしました。
 すると、つられて真似をしだした多門さんを筆頭に、「もっと緩急をつけるんだよ」という馬渕さんや市川さんも加わって、さらには制作部隊まで仲間に入って全員が真似をし始めたのです。いろんな桃井かおりで稽古場は一時にぎやかになりました。
 互いの桃井かおりを見せ合っては批評し、良い点を融合し、新たな桃井かおりを作り出していく皆の姿を俯瞰して私は、なんだか不思議な気持ちになりました。

ダメだし語録2

 本谷有希子はダメだしをする時、擬音もよく使います。今日も、「その台詞はピャピャっと言って」とか「タッ、チャッ、パッていうテンポで進めて」と言ってました。それならまだニュアンスで分かるのですが、「ツァーーと見せといてポィーーンってなって」と言った時には皆の首が30度傾いて"?"が頭上に浮かんでました。
 他の言葉でうまく説明できなかった本谷有希子に「翻訳して!」と頼まれたのですが、ごめんなさい、「ツァーーでポィーーン」はさすがに無理でした。

ダメだし語録

 本谷有希子はダメだしをする時、例えをよく用います。今日も、「そこはお笑いコンビのアンタッチャブルみたいにして」と言ってました。それならまだ分かるのですが、段々と「沼から上がったアンタッチャブルにして」となり、「裸の大将っぽさも加えて」となり、最終的には「沼から上がったアンタッチャブルみたいな裸の大将がチェーン店で働いてる感じ」になってました。
 このダメだしの意図が役者に伝わってるのか、甚だ疑問です。

どんぐり

 THE SHAMPOO HATから客演してもらってる多門さんは、稽古中に突然台詞を忘れてしまったとき必死になって思い出そうと力むと、目がまるでどんぐりのようになります。稽古シーンの流れを止めないために早く思い出そうと力めば力むほど、まん丸のどんぐりになっていくのです。
 多門さんの役柄とそのどんぐり目が妙にマッチするため、しまいには本谷有希子から「じゃあもうそこの台詞のとき、目をどんぐりにして」と演出をつけられていました。
 人の目はそうそう簡単にどんぐりにはなりませんが、多門さんはこの演出に確実に応えていました。
 

完本

 本日、ラストシーンまでの台本が配られました。いやはやいやはや!読んだら、胸にググッときました。なるたけ多くの人に、このググッを味わっていただきたいという思いがフツフツと湧いてきました。

本谷×馬渕 対談

 稽古後、馬渕嬢おすすめの大人な感じのカフェレストランに行き、本谷有希子×馬渕英里何の対談を収録しました。
 今公演における本谷有希子の挑戦や、「こういう役やってみたかったんだ」と言う馬渕さんの思いなど、たっぷりたっぷり語ってもらいました。
 対談を聞いていて、この芝居でこの二人が出会えたことってすごい幸せかも!と、おこがましくも思いました。
 近々「乱暴と待機」特設ページにこの対談を載せますので、どうぞお楽しみにしていてください。